初心者でも大丈夫な馬選び2/3 パドックで「推し馬」を見つけよう
  • そもそもパドックって何? 何するところ?
  • なぜ馬がぞろぞろ歩いてる?
  • 走っているレースを見たい
  • 馬の散歩なんて別に興味ない
  • 馬の選び方と関係ないことでしょ?

余計なこと? よりも早くレースに参加したい気持ちは分かります。 初心者で分からないことだらけであればこそ、必勝法のような馬の選び方を学習したい。

待ってください。あまりにもったいないです。 競馬場(またはテレビ中継でも)で一番楽しめる場所がどこなのか、一番大事な場所がどこなのか、読み終わるころには伝わっていることと思います。

パドックって何するところ?

レースの30分ほど前に、競走する馬たちはパドックを周回します。 陸上のトラックを小さくした楕円形の道で、厩務員(お世話するスタッフ)に引かれて全頭がゆっくりとぐるぐる歩きます。 スタッフは一人だったり二人だったり。 しばらく回ったら騎手が乗るための合図があり、最後にもう一周して本馬場(レースで走るコース)へと向かいます。 これが発走のだいたい10分前です。 20分もぐるぐるしてるわけです。

おもな目的はふたつです。

  • (私たちが)馬の状態をじっくり見るため
  • (JRAや厩舎スタッフが)馬を落ち着かせるため

馬を選ぶために、すぐ近くで馬を見よう

パドックの真ん前に陣取って馬を見ましょう。 前のレースが終わったらすぐに来ないと人が増えて真ん前に行けません。 特に人気のレース(重賞など)のパドックを見たいなら、ひとつ前のレース観戦をあきらめてでも陣地を確保したいです。

ちなみにレースコースでも馬を見られますが、芝コースの幅が30mくらいで内側(こちらから見て遠い側)を走るため、一番前で見ても遠いです。 ダートコースは芝コースのさらに内側にあるので50mくらい離れています。 馬をじっくり見たいならパドックです。

目の前1mのところを馬が歩いていきます。 まず感じるのは「大きい」。 サイズ感は、アメリカのバスケット選手5人でムカデ競走をしているひとかたまりくらい。 歩く足音がカポカポと聞こえます。

選ぶ以前に 馬がそれぞれ違うこと、分かりますか?

一番最初はどの馬も同じに見えるかもしれません。 見慣れてくると、違いがあることが少しずつ分かってきます。 そもそも、馬も人間と同じ哺乳類です。 人間だと3歳児、幼稚園児くらいの賢さというフレーズはよく聞きます。 個体によってあきらかに性格も違います。

馬がびっくりするのでフラッシュ撮影、大きな音は禁止です

そもそも馬自体が草食動物で臆病な動物です。 人間に育てられてある程度は慣れているものの、たくさんの人の中に放り込まれるとやはり緊張します。 それで興奮したり、萎縮しておとなしくなったりします。 性格の個体差からくるものです。

馬の選び方 違いを見つけよう

顔をよく見ると表情があります。 歯をむき出して笑っていたり、怒っていたり。 ふざけて舌をぺろんぺろん出していたり。 すまして歩いているのもいます。 うつむいている馬でも力がみなぎって見えるのとしょんぼりして見えるのがいます。

尻尾にも表情? があります。 たらんとしていたり、ひっきりなしに左右に動いていたり、立っていたり。 犬を飼ったことがある人には伝わると思いますが、とてもかわいいです。

新馬戦はみんな落ち着きがない 初めてだから

新馬戦のある一頭です。 まだ体つきが子どもでたくましさはありません。 たえず舌をぺろんぺろんさせて、厩務員さんにもたれかかり甘えています。

人懐っこく愛嬌をふりまく馬もいます。 見られていることを意識してかっこつけてるのでしょうか? 子どもがカメラを向けられて何かやろうとする姿をほうふつさせます。

自分のスタッフの前に来るといななく馬もいます。 悲しげではなく楽しげに。 「ここにいるよー 見て見て-」と言っているように聞こえます。 きっと愛情たっぷりに育てられているのでしょうね。

こういう感じは特に新馬戦(デビューの馬だけで走るレース)だと顕著です。 体は大きいのにみんな子どもです。 保育士になった気分です。

馬はモデル? 歩き姿の美しさで選ぶ

馬を選ぶにあたっては、歩き姿全体について注目しましょう。 たとえば、大柄でたくましいスポーツマンモデルがランウェイを歩いている図を想像してください。 立ち姿、歩き姿のバランス、スムーズな動き、美しいはずです。 体がユルユルだったり、タラタラと小さい歩幅で歩いてたらモデルとして美しくないですよね。 まさに馬も同じです。 モデルだと思って、自然でバランスのいい美しく感じる馬を探しましょう。

ひとことで「美しい」というと薄っぺらく聞こえるかもしれません。 モデルの例で示したように、美しさには構成するいくつもの要素があり、絶妙なバランスで成立しています。 人間が見てそう判断した状態、ひとことで表すと「美しい」になるわけです。

「推し馬」は見つかりましたか? これが初心者の馬選びです

まずはいろんな馬がいることを確認しましょう。 愛嬌なり立ち居振る舞いなり、とにかく美しい馬、見て素敵に感じた馬を応援しましょう。 純粋に馬を見る楽しさは何物にも代えがたいです。 美しい推し馬が見つかったらなおさらです。 さらに馬券を買えば、見る目の正しさが的中として証明されるのです。

ちなみに屋外なのでがっつり日焼けします。 特に女性はUV対策をしっかりと。 朝と夕方は気温も低めなので、薄手のUVカットパーカーを一枚持つと安心です。